一般的なWebデザイナーに求められるスキルとは?

こんにちは。
ウサギ塾 講師の綾瀬です。

Webデザイナーになりたいといっても何から手をつけて良いか分からないという人は多いと思います。
私自身もWebデザイナーを目指し始めた当初は何をして良いのか全く分からず、ただぼんやりとデザインに関する本を眺めるだけの日々を送っていました。
正直かなり無駄な時間を過ごしたように思います。

本記事では、Webデザイナーを目指す上で求められるスキルについてを記していきます。
Webデザイナーを目指している人にとっての指針となることができれば幸いです。

結論

私が考える「一般的にWebデザイナーに求められるスキル」は以下の通りです。

  • コミュニケーションスキル
  • 自己マネジメントスキル
  • マーケティングスキル
  • 営業スキル
  • デザインスキル
  • デザインツールの操作スキル
  • コーディングスキル
  • 新しい技術に敏感な姿勢

たくさんありますね。
しかし一度に全てを覚える必要はありませんし、コミュニケーションやマネジメントなど他の技能は既にお持ちの方もいらっしゃると思いますので、ビビる必要は一切ありません。

では解説していきます。

コミュニケーションスキル

Webデザイナーは対人能力が低くてもなんとかなると思っている方がいるとしたら大間違いです。
おそらくどの職業でも同じかとは思いますが、コミュニケーション能力が一番大事です(デザインをおろそかにしてもよろしい訳ではないですよ)。

デザイン制作は基本的に「依頼人」がいて成り立つものです。
依頼人がどのような方法で依頼してくるかは場合によって異なりますが、依頼時には必ず人対人のコミュニケーションが介在します(間にディレクターが入ることも多いですが、それでもディレクターとコミュニケーションを取る必要があります)。

制作会社勤務ではないインハウスデザイナー(事業会社のデザイナー)でも同じです。
依頼人が外部の人間ではなく、社内の人間に変わっただけです。
むしろより密なコミュニケーションが求められる可能性が高いです。

デザインは見た目を整える仕事です。
どのように整えるかは、必ず依頼人に確認を取らなければなりません。
つまり「デザインを言語化して伝える力」が求められる訳です。

自己マネジメントスキル

制作規模が小さければそこまで必要ないかもしれませんが、規模が大きかったり、様々な案件を同時進行している場合は、仕事をマネジメントしないと立ち行かなくなる場合が多々あります。
制作スキルが高くても案件のマネジメントができていない様な人だと、その人には依頼できないなあ...と思うくらい大事なスキルです。

案件にもよりますが、1日で作業が終わるようなものは稀です。
例え作業自体が1日で終わる程度の内容だったとしても、依頼人や上司などの確認をとり、さらに修正まで求められることを想定しておかなければなりません。

決裁者が複数人・多方面の組織にいる場合は特に注意が必要です。
どの職業でも同じかと思いますが、様々な部門に影響を与えてしまう「デザイン」という仕事は、それだけ責任が伴う=マネジメントが必須なのだということを理解しておきましょう。

マーケティングスキル

デザインを決める前に「どのようなデザインにすれば依頼人が抱えている問題を解決できるのか」といった事を考えなければなりません。

デザインは必ず何かしらの目的があって必要とされます。
コンバージョンを増やす、クリック率を増やす、ページから離れる人を減らしたい...などなど様々な目的があります。
そしてこれら目的は、実際にWebサイトに訪れている顧客の動向から制作・改善のヒントを探る必要があります。

その時に必要になってくるのがマーケティングの知見です。
言い換えるなら分析力と、それをデザインに落とし込む企画力といったところでしょうか。

場合によってはマーケティング部門に専門の担当者がいる場合もありますが、Webデザイナーという職全体にも求められるようになってきています。

営業スキル

フリーランスにだけ必要なスキルだと思ったら大間違いです。
会社員デザイナーにも必須です。

フリーランスにとっては言わずもがなかと思いますので省きますが、会社員にとっての営業スキルとはなんでしょうか。

デザイナーは「技術職」です。
技術は日々進歩しているため、自身の技能も高めていかなければなりません。
そのような中で自分の仕事内容がずっと変わっていないとしたら、それはかなり危機的な状況かもしれません。
新しく入ってきた若手のデザイナーに「え、これ使ってないんですか?」などと言われた頃にはかなり腕が鈍っている可能性があります。

仕事はとても良い勉強になります。
ですので、一向に仕事内容が変わらない状況が続くとスキルの停滞を招いてしまいます。
よって、自分のスキルを自然にアップデートできるように、せめて社内で新しい仕事を自分から取ってくる・生み出す、といった自分のスキルを元にした売り込みスキルは必要かと思います。

「私はこんなことができるんですよ」と、入社時の面接の時でだけでなく、常にアピールするスキルは持っておいた方が絶対に得ですよ。

デザインスキル

ようやくデザインの話になりました。
今までの話で理解いただけたかと思いますが、デザインとは様々な仕事の後に「結果」として付いてくるものです。
デザインももちろん大事ですが、デザインする前の仕込みをおろそかにしていると後から必ずツケが回ってきます。
デザインだけに固執せず、様々な力を取り入れていきましょう。

さて、デザインスキルの話ですが、これはデザイナーとして当然持っておかなければならない「最低限」のスキルです。
そして勘違いして欲しくないのが、デザインを作るツールを十全に使いこなせる様になるよりももっとずっと大事なスキルだということです。

というのも、良いWebデザインとは下記の項目を満たしていなければなりません。

  • 見つけやすい
  • 分かりやすい
  • 使いやすい
  • 覚えやすい
  • アイデンティティがある
  • 一般社会に溶け込んでいる
  • 変更しやすい

これらはツールが使えるからといって達成できることではありません。
しっかりとした下調べと、その調査に合ったデザインを提供できるだけの引き出しがデザイナーに求められるのです。

全てをいきなりできる様になるわけではないので少しずつ学んでいけば問題ありませんが、日々学習・経験を継続できなければ自身の思い描く理想のデザイナーになることは難しいでしょう。

デザインツールの操作スキル

これはPhotoshopやIllustrator、sketchなどのことですね。
当サイトでは、最初はPhotoshopからの学習をお勧めしています。
詳しくはこちらに記載していますので、是非ご一読ください

ツールの類は、教科書などを使って網羅的に学習していくのは遠回りと個人的には考えています。
学習しても実践しない、あるいは実践しても一度きりで終わってしまうことが多いからですね。

ツールの操作は自分が作りたいものを作っていれば自動的に身につきますので、恐れずどんどん制作していきましょう。

コーディングスキル

会社員デザイナーとして働きたい場合、HTML/CSS(SCSS)は必須だと思ってください。
プラスαでJavaScript、PHP(WordPress系だけでも)ができると重宝されやすいと思います。

フリーランスの場合、稼ぎたい額にもよりますが、スキルとして持っていた方が確実です。
持っていないと生活できないということはないでしょうが、よほど素晴らしい実績などがない限り大きく稼ぐことは難しいと思います。

最近はデザインしかできないWebデザイナーが求められることは稀です。
HTML/CSSまでであれば習得は容易(半年もあれば一般的なページ構築くらいはできると思います)ですので、今できない人もいつかはできるようになりましょう。

「いやいや私には適性がないから書けないよ、無理だよ」という方。
私が過去Webデザインスクールでコード周りを教えてきて、最終的に一切できないまま卒業された方はほぼいませんでした。
できないまま卒業された方は、そもそも約束した通りに学習を進めてくれなかったり、コードに対する苦手意識や挫折経験がトラウマになっているような方だったので、きちんと継続して学習できる人であればできないことはあり得ません。

ただ、独学でできない人は学習方法を間違えている可能性が大いにあり得ます。
タグを闇雲に覚えようとしたり、学習すべきコードを間違えたり、意味が分からないまま模写していたり...などなど。

コードの学習は順序が大事です。
必ず「どのようなWebサイトを作りたいのか」といった目的を用意し、その目的を達成するためにはどの様なコードを書けなければならないのか、といった学習方法が一番望ましいです。
デザインツールの学習と同じで、教科書などから網羅的に学習するのはやめた方が良いように思います。

当スクールでも近いうちにコーディングコースを準備する予定です。
今まで数百人を超える受講生に教えてきた経験上、どのような順序・伝え方が一番理解しやすいのかを凝縮した講座にする予定です。
詳細は当サイトTOPページに記載予定ですのでご期待ください。

新しい技術に敏感な姿勢

このスキルは地味に大事です。
優先度は高くありませんが、Webデザイナーになった後も、定期的にデザインの流行・新しいコード周りの知識・新しいツール...など、新しいWebデザインに対するアレコレについては敏感になっておいた方が良いです。

この業界は新人が強いです。
なぜならベテランが知らない技術を知っているからです。

Webデザイナーになった瞬間から下りのエスカレーターに乗っている気持ちで、流行・知識・技術には敏感に生活していきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
最後にもう一度私が考える「一般的にWebデザイナーに求められるスキル」まとめると、以下の通りです。

  • コミュニケーションスキル
  • 自己マネジメントスキル
  • マーケティングスキル
  • 営業スキル
  • デザインスキル
  • デザインツールのスキル(例え使ってことがないツールでもすぐに使える様になる力)
  • コーディングスキル
  • 新しい技術に敏感な姿勢

「Photoshopができてコードが書ければ十分でしょ」とタカを括っていたあなた、甘いです(そんな人いないですかね)。
会社が求めるWebデザイナー像はこんなものです。
フリーランスであればもっとガツガツとスキルに貪欲になる必要があります。

まあとはいえ未経験者を採用する会社であれば、これらが全てできる人材を採ることは考えていないはずです。
自分なりに優先順位を割り振り、学習してください。

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